『おちんちんの本』 その3

③間違いだらけの包茎知識

方針イメージ

 

  包茎卒業のプロセス

 オチンチンにとってまるで諸悪の根源のように語られている包茎について、キミがどこまで正しい知識をもっているのか、あまりにも誇張された情報が氾濫している状況を考えると非常に心もとない。ここでは包茎についての基本的な知識を整理してみよう。

 この世にオギャーと生まれたとき、男の子のオチンチンはすべてスッポリと包皮に覆われている。つまり、生まれてくるときは全員が包茎で生まれてくるのである。それも完璧にくるまれた真性包茎だ。

 これは一人前になるまでデリケートで敏感な亀頭部分を保護するためであり、世界中どこの人種でも同じである。人間だけじゃない、哺乳類のオスならみんなそうだ。

 これがいつ頃からむけてくるかというと、それがオチンチンが気になりはじめる思春期である。個人差もあって正確な時期はいえないが、だいたい中学から高校にかけての時期ということになる。そう、毛が生える時期と思えばいい。

 この頃になると性ホルモンの分泌が活発になり、オチンチン、正確にいえば陰茎も亀頭もムクムクと発育していく。
包皮も発育することはするが、そのスピードにはとてもついていけないので必然的に後退し、オチンチンの先っぽ、亀頭が徐々に顔を出しはじめる。ただし、変わりつつあるオチンチンをそのままほおっておいてもいいか、というとそうでもない。好奇心のままにオチンチンの先をいじったり、自分で皮をむいてみたり、あるいは覚えたばかりのマスターベーションに励んだり・・・すると、やがて亀頭は完全にその姿を現す。これが包茎ではないオチンチンの姿だ。

 はじめて外気に触れはじめたころの亀頭は、いままで包皮に保護されていたわけだから刺激に対しては非常に敏感になっている。
そもそもこの部分は皮膚ではなく、粘膜でできているので、色も薄いピンク色。最初はちょっとさわっただけでも痛いし、パンツとこすれても痛みを感じるものだが、やがて慣れてくればこの過敏症もとれてなくなり、色も色素沈着によって黒ずんで、包皮部分に近い色に変わっていく。

 このむけはじめの頃、オチンチンは一度むけたら、あとはずっとむけたままという状態ではない。
当初は手でむいてやったときだけ顔を出す、あるいは勃起したときだけ顔を出すという状態が続き、やがて、顔をだした状態が普通の状態となっていくのである。いわば真性包茎から仮性包茎に移行し、それから包茎卒業へと移っていくのである。これが非包茎オチンチンの成長プロセスだ。

 包茎ではないオチンチンについて最初に説明してしまったが、では、包茎のオチンチンはというと、包茎を卒業する前にそのプロセスがストップしてしまった場合である。
 つまり、亀頭が包皮に覆われたままの状態のオチンチンということになるが、その程度や状態に応じて真性包茎、かんとん型包茎、仮性包茎と大きく三つに分けられている。
 この分類は、いわば卒業までのどの段階でストップしたかという違いでもある。

 さて、この三つの包茎については次の節で詳しく述べるが、共通した問題点について述べておこう。

 卒業前のオチンチンは、顔を出したときによく観察すると、白いカスのようなものがこびりついている。これが、「包茎は臭い、不潔だ」といわれる元凶、恥垢である。

 恥垢はオシッコの残りや精液のカス、オチンチンからの分泌物などが、包皮と亀頭のあいだにたまったもので、思春期はとくにホルモン分泌が活発になるのでたまりやすい。そのうえオチンチンの温度に温められて、パンツを下ろしただけでいやな臭いを周囲に発散させることがある。皮がむけて亀頭が顔を出すようになったら、とにかくお風呂でよく洗ってやることだ。

 最初は亀頭は非常に過敏になっているので、洗うにも痛みが伴う。ぬるま湯で石鹸をつけて自分の痛みと相談しながら、ゆっくり洗い流してやればいい。とくに亀頭と陰茎のつなぎ目の部分、冠状溝の部分には恥垢がたまりやすいので、きれいに洗ってやることだ。包茎が臭い、不潔だといわれるのは、恥垢を洗えないことが大きな原因となる。しかしこれは間違いではないが、ある意味ではずいぶん乱暴ないい方である。

 というのは、たしかに恥垢はたまりやすいが、それは皮がむけない真性包茎についていえることであり、皮をむいて洗える仮性包茎にはなんら問題はないからである。
日本人の七~八割が包茎といわれ、そのなかでは仮性包茎が圧倒的に多いという現実を考えると、「包茎は私垢がたまるから臭くて不潔だ」というのは、真性も仮性もいっしょくたにして一人でも多くの人に包茎手術を受けてほしいと願っている包茎専門業者の宣伝文句だといってもいいくらいだ。

ただし、真性包茎の場合は、恥垢はたまるばかりだから石のように硬くなってこびりついてしまう場合もある。これは一日も早く手術を受けたほうがいいことは確かである。

では、さらに詳しく「④包茎の三つの種類」について見てみよう。