『おちんちんの本』 その2

②包茎百害説をぶっ飛ばせ

方針イメージ

 

 オチンチンコンプレックスの三役の一つ、包茎は他の短小、早漏とはちょっと事情が違う。どこが違うかといえば、短小も早漏も確たる基準がないところで、勝手な思い込みによって成立している。つまり、肉体的な要因よりも心理的な要因のほうが大きい。

 ところが、包茎だけは客観的に誰の目にも包茎とわかってしまうのである。しかも、その程度によりいろいろなタイプの包茎があり、一概に語ることもできない。

 たとえばセックスそのものがまったくできない包茎もある。この場合は明らかに身体の異常であり、コンプレックス以前の問題である。

 ただし包茎であることと、包茎コンプレックスであること、これもまた根本的に異なることである。日本人の成人男性で包茎の人はかなりの数になると思うが、そのすべての人が包茎コンプレックスであるわけではない。

 では、どんな人がコンプレックスとしての包茎をもってしまうのだろうか。それは他の二つと結びつけて考えてしまった場合である。

「ボクは包茎だから短小なんだ」

「包茎さえなおせば、早漏はなおるのに」

こう思いこんでしまっている人たちがじつに多い。

 さらに、
「包茎は女性から嫌われる、バカにされる」

と信じて完全に自信を失い、毎日洗っている清潔な仮性包茎さえも、 「包茎は恥垢が溜まるから臭くて不潔だ。いつ陰茎ガンになるかもわからない」  と、ノイローゼ気味に悩んでしまう。

なぜこうなってしまったのか、といえば、それはオチンチンの専門医である私たちが、 包茎に関する正しい知識の普及を怠ったからだ、と私は自省している。

 その間に、包茎手術専門の医者たちが(医者というより包茎業者とでも呼んだほうがいいかもしれない)、マスコミを利用して「包茎は百害あって一利なし」と、包茎が諸悪の根 源であるかのようなPR活動をしてきた。

 PRの対象は男性のみならず女性にまで及び、

「包茎のオチンチンとセックスすると子宮ガンになる」

 と信じる女性まで現れる始末である。

 これでは、 「ボクが女性にもてないのも、セックスがうまくいかないのも、その原因のすべては包茎 だからだ。手術を受けなければ人生はお先真っ暗だ」  と信じてしまっても無理がない、といわざるをえないような状況である。

 この本では、私は自分のいままでの怠慢の反省の意味もこめて、できるだけ詳しく包茎 について知ってもらうための努力をしようと思っている。

 正しい知識さえ身につけば、無用なコンプレックスを抱く必要はないし、また、不安な気持ちで不必要な手術を受けることもない。

 ③の章では、オチンチンの専門医の立場から、包茎に関するウソの情報と正しい情報を整理してみたい。